2022.11.11
睡眠時無呼吸症候群で通院中の私が実感する睡眠の大切さ

はじめに

 新英産業の鈴木です。

今回2回目のコラム投稿になります。今回は、睡眠時無呼吸症候群についてお伝えしたいと思います。何を隠そう私は約10年前に睡眠時無呼吸症候群の診断を受けて、今も治療を継続しています。

睡眠時無呼吸症候群とは?いびきの原因にもなる?

みなさん、『睡眠時無呼吸症候群』をご存じですか?

文字通り、寝ている間に呼吸が何度も止まってしまい、体が低酸素状態になってしまう病気です。その結果、睡眠時間が長くても『寝ているような、寝ていないような』状態で目覚めるため、日中に眠気を感じてしまいます。

会議中に居眠りしてしまう。パソコンに向かいながら、同じキーを打ち続け、仕事の効率が落ちてしまう。その程度であれば、良いことではないですが、まだ傷口は浅いです。工場作業中に労災が発生したり、運転中の居眠りにより、事故を起こしてします。毎年のようにトラックやバスにおける死亡事故が発生していますが、その原因の一つが睡眠時無呼吸症候群です。大変恐ろしい病気です。

睡眠時無呼吸症候群の種類と原因

睡眠時無呼吸症候群は、大きく3種類に分類されます。①閉塞性 ②中枢型 ③混合型ですが、閉塞性が大部分を占めます。

閉塞性とは、気道(空気の通り道)が細くなったり、閉じてしまうことにより、空気が通りにくくなったり、通らなかったりします。原因としては、肥満により脂肪が気道を圧迫することが一つです。肥満の中年男性に多いようです。肥満でなくても顎が小さいなどの骨格や喉の奥の形状(扁桃腺など)によって、空気の通りが悪くなります。

中枢型は、閉塞性のように物理的に気道が閉塞するのではなく、呼吸を制御する脳機能(呼吸中枢)の異常によって発生します。気道の閉塞はないため、いびきなどの症状は現れないのが特徴です。肥満との関係もありません。

混合型は、閉塞性と中枢型の両方が複合的に見られるものです。

家内のひとことをきっかけに、睡眠時無呼吸症候群かどうかをチェックすることに

『いびきがうるさくて眠れない。』『息が止まっている。それも30秒以上も』という苦情が家内からあったのは、10年くらい前のことでした。そう言われても、私は眠っている時のことなので、全く意識がありません。何とも返答のしようがありませんでした。 

 そのようなことが数か月は繰り返し発生していたと思います。時には、気持ちよく眠っている私を横から小突かれて起こされたことが何度もありました。その時、家内から『(息が)止まっている。1・2・3・4・5…50・51・52。1分近く止まっていたよ。私、気になって眠れない!』と苦情が…

 家内はネットで調べたり、知人に聞いたりして、『睡眠時無呼吸症候群じゃないの?検査行ってきて!』その時は、睡眠時無呼吸症候群のことは、聞いたことがある程度で、自分自身がそうだ、という自覚はありませんでした。日中に眠気を感じることもありませんでした。

睡眠外来での睡眠時無呼吸症候群の検査

 意を決して、睡眠外来のある病院の予約をして診察を受けました。初回は問診と入院検査の予約だけで終わりました。2回目は入院検査で、夕食を済ませて午後7時位に病院へ行き、ひと通りの説明を受け、8時頃から寝る準備です。準備とは、頭や体の各部署に電線に繋がったセンサーをつけられました。

 準備は30分程度で完了し、あとは寝るだけ。こんなに線をいっぱい付けられて眠れるのか?まだ9時なのに眠れるのか?と思いつつ、消灯時間の10時までは本を読んだりして過ごしましたが、消灯後は、いつの間にか眠りについていました。午前6時の起床時間まで一度、目が覚めましたが、再び眠りの世界へ。ぐっすり8時間の眠りでした。起床後はセンサーを外してもらい、6時半には病院をあとにしました。

1週間後、検査結果を聞きに病院へ。先生曰く『立派な睡眠時無呼吸症候群ですね。』

治療法と睡眠改善の効果は?

治療はCPAP(シーパップ:Continuous Positive Airway Pressure:経鼻的持続陽圧呼吸療法)という装置を使用しています。本体からチューブを通して、鼻に空気を送り込みます。鼻にはマスクを装着し、空気が漏れないよう伸縮ベルトでマスクを固定します。空気は設定された一定の圧力で睡眠中送り続けられます。その状態で一晩眠るのです。こんなもの着けたまま眠れるのだろうか…?

人によっては、目覚めが劇的に改善されたり、熟睡感が飛躍的に良くなったと聞きます。残念ながら、私はそのような自覚はありませんが、横で寝ている家内へのいびき、無呼吸による睡眠妨害やストレスが大幅に軽減したと思います。

面倒なのは、毎月通院しなければならないことです。治療費(診察料+CPAP使用料)も4,500円程度かかります。家計的にも小さくはありません。通院時には、CPAP本体に挿入したSDカードを持って行き、ひと月分のデータを確認します。睡眠時間、一晩の無呼吸の回数、無呼吸平均時間、空気の漏れ具合ですが、無呼吸は0回にはなりません。先生曰く『健康な人でも0回ではないです。』とのこと。これにはびっくりしました。健康で正常な人でも、一晩に数回は無呼吸があるようです。

睡眠時無呼吸症候群の治療を経験して分かったこと

今回は、睡眠時無呼吸症候群についての経験を投稿いたしました。いつまでCPAPを使い続けるのか?と考えることがあります。肥満が原因の場合が多いので、まずは減量して肥満を解消することしかないようです。10%の減量で、無呼吸指数は26%改善されるようです。とても難しいことと思います。

睡眠時無呼吸症候群は、高血圧や心臓疾患、脳梗塞など重大な病気に直結する動脈硬化を進行させるとも言われています。と言うことは、CPAPはこのような重大疾患の予防にも役立っていると思い、気にせずに使用することにしています。

自分がまさか睡眠時無呼吸症候群だったとは!…眠っている間のことであり、日中に眠気を感じることなく、気づかなかったのですが、家内のひと言がきっかけで治療するに至りました。

一人暮らしの方は気づくことができないかもしれませんが、一緒に寝るパートナーがいる方々は、パートナーからの『いびきがうるさい』『息が止まっている』という言葉を真摯に受け止めて、専門医の門を叩くことをお勧めいたします。

以上